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いま子どもの英語教育が必要とされる理由/2021年

近年、子どもの英語教育に熱心な親が増えています。英語ができれば仕事の幅も広がり、世界を相手に商売することだってできるでしょう。つまり、英語力があれば、世界に売って出ることもできるのです。

しかし、子どもが小さいうちから英語を学ばせるには、別の何かを犠牲にしなければなりません。たとえば、ピアノなどの習い事をやめて、英語教育に時間をかけるといった選択が必要になります。

果たして、子どもが小さいうちから、英語教育をする必要があるのか、もっと大切なことがあるのではないかと、考える人もいるでしょう。この記事では、子どもの英語教育が必要な理由について、解説することにします。

子どものうちから英語を学ぶメリット

言語習得は、幼いうちから取り組むほど身につきます。特に発音は、小さいうちから英語をまなばせたほうが、ネイティブに近くなります。文法は大人になってから勉強することもできますが、発音だけは大人になっていくら猛練習しても、ネイティブに近づくことはできません。

これは、大人よりも子どものほうが、新しいことを吸収する能力が高いからです。また、大人と違って、小さな子供は好奇心が旺盛なので、何でも興味を持って取り組むのも、英語教育を早期に始めたほうがいい理由と言えるでしょう。

英語を身につけるのに必要な時間は、約2千~3千時間といわれています。しかし、日本の英語教育の授業時間は、小学校から大学まで合計しても、千時間に満たないのが現状です。つまり、学校で英語を学習するだけでは、明らかに足りないのです。

そこで、少しでも早く英語をマスターするためには、まだ子どもが小さいうちから、英語を学ばせるほうがいいのです。

小学校から英語が必修化

2020年度に実施された、新しい小学校学習指導要領により、小学校3年生から英語の授業が本格的に始まりました。まだスタートしたばかりなので、英語の授業時間はそれほど多くありませんが、それでも5年生、6年生になると、週に2コマ程度の授業枠が英語に割り当てられています。現在のところはまだこの程度ですが、もう少したてば、英語の授業時間が増えることは容易に予想されます。

親の立場になれば、自分の子供が英語で出遅れないようにしたいと、思うのではないでしょうか。子どもによっては、小学3年になって初めて英語の授業を受けて、苦手意識を持ってしまうこともあるかもしれません。そうなると、後々の英語学習に影響が出るので、なるべく早いうちから、英語に慣れさせておくことも大切でしょう。

英語を通じて異文化を学ぶ

世界にはいろんな国があり、それぞれ独自の国民性や文化を持っています。また、国や民族によって価値観もさまざまです。日本に住んで日本人と関わっているだけでは、他の国の人々の考え方は理解することができません。

これからの時代は、日本だけでなく、グローバルな社会で活躍することも、考える必要があります。そのためには、日本人とは違った考え方をする人々がいることを、「肌で感じる」ことが大切です。子どものうちから英語を学ばせると、異文化を肌で感じられるようになります。

これは、子どもの脳が未発達なために、与えられたものを素直に受け取るから、できることなのです。大人になって脳が発達してしまうと、与えられたものを、自分の経験や知識で判断しようとするので、素直に受け入れることができなくなります。これはこれで、人が生きていくためには必要な能力なのですが、語学習得に限っていえば、この能力は邪魔になります。子どもの英語の発音がネイティブに近いのも、脳が未発達で何でも受け入れるからこそできることです。

これと同じように、子どものうちから英語を学ばせると、異文化を素直に吸収できるので、グローバルな感覚を身につけやすくなります。発達を終えた大人の脳では、日本人としてのアイデンティティが、しっかり出来上がっているので、異文化をすんなり受け入れることが難しくなります。子どものうちから英語をを学ばせることによって、英語を通じてスムーズに、異文化になじめるようになるのです。

早期の英語教育にはデメリットもある

子どものうちから英語を学ばせるとさまざまなメリットがありますが、その一方でデメリットもあります。そもそも、まだ十分に日本語を理解できないうちに、外国語を学習させていいのかという意見もあります。「ゼロリンガル」や「セミリンガル」という言葉が、それを表しています。つまり、幼いうちから英語を学習させると、日本語も英語も中途半端になってしまうということです。

子どもは何でも吸収するので、2つの言語を学習させてもグングン上達していきます。そのため、一見問題ないように思えます。しかし、2つの言語を中途半端に覚えると、論理的思考能力が養われにくいという問題があるのです。その結果、抽象的な内容の理解力や、伝達力が欠如するおそれがあります。このように、子供に英語を学ばせるのは、わずかながらデメリットもありますが、それをはるかに上回るメリットがあるのは明確な事実ですから、自信を持って進めましょう。

英語の早期教育で注意すべき点

大人が英語を学習する場合は、ハッキリした目的があります。たとえば、英検などの資格を取得したいとか、仕事で海外出張する予定があるとか、アメリカ人の友人ができたなどです。このような、ハッキリした目的があれば頑張れますが、子どもにいきなり英語を勉強しろと言っても、子どもには頑張る理由がありません。そのため、英語にまったく関心をしめさない場合は、無理に押しつけるのはやめましょう。無理に英語を学ばせようとすると、英語そのものが嫌いになってしまうおそれがあります。

そうなると、この先いくら英語を勉強させようとしても、受け付けなくなるので注意が必要です。また、いくら英語教育が大切だといっても、まだ物事の理解力がない子どもに、英語や異文化をわからせようとしても、無理な面もあります。というのは、子どもはまだ日本語も、日本の文化もよく知らないからです。日本の文化をしっかり理解してこそ、異文化がわかるのです。自国の文化がわからないのに、外国の文化を学んでも、違いがわかるはずはありません。これでは子どもを混乱させるだけなので、親のエゴで子どもに英語や異文化学習を強いるのは、絶対にやめましょう。

親も一緒に学ぶ

子どもには、なぜ英語を勉強しなければならないのかがわかりません。そのため、子どもに英語を学ばせるなら、親も一緒に勉強したほうが、子どもも取り組みやすくなります。幼稚園児や小学校低学年の子どもは、1人で机に向かって勉強するのが苦手です。特に英語などという、初めて目にする教科はなおさらです。そこで、子どものモチベーションを保たせるために、親も一緒に学習してはいかがでしょうか。子どもと一緒に英語の歌を歌ったり、絵本を読んだりすれば、自然と子どもも英語になじむことができます。

子どもと一緒に何かを学ぶという体験は、なかなかできるものではないので、親にとっても貴重な経験になるでしょう。子どもにとっても、初めての英語を親と一緒に学習できれば、楽しく英語を覚えることができます。「英語は楽しい」ということを、子どもの脳に刻むことができれば、まず第一段階は成功です。無理に押しつけて、英語が嫌いになっては元も子もないので、子どもにはまず、ストレスなく英語に取り組める環境を作ってあげましょう。

まとめ

子どもの英語教育が必要な理由の1つに、小学校から英語の授業が始まったことが挙げられます。いきなり始まる英語の授業に、子どもがなじめない可能性もあります。そのため、早めに英語を学習させようという人が増えています。子どもは何でも吸収できるので、英語も幼いうちから、学習させたほうが身につきやすいので、なるべく早く英語学習に取り組ませてあげたいものです。